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| 本ビデオは、NPO法人 JAPAN IBDのご指導・ご協力のもとに、2004年7月に作成されたものです。患者様へのご指導用に、ご利用下さい。 | |||||||||||||||||||||||
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| 【全文原稿】 | |||||||||||||||||||||||
| 在宅成分栄養 経管栄養法の実際 <経腸栄養療法について(兵庫医科大学消化器内科 福田能啓先生)> 本日は、クローン病の成分経腸栄養療法を勉強してみたいと思います。 この栄養法は、成分栄養剤を鼻から入れた管を通して身体に入れてあげる方法でございます。 この栄養療法というのは、なぜ必要かということでございますけれど、まずそれはクローン病が日本の食生活の欧米化によって徐々に増えてきているという疫学的な事実が、1つ理由として挙げられます。 すなわち食生活の欧米化は身体の免疫力を強くし、油も増やし、炎症も強くするということで、クローン病がどこかで病気が起ってくるそのチャンスを作り出す可能性がある、というふうに今現在は考えております。 食事はしてもらっても結構だと思います。ただ成分栄養剤をやりますと、油の入っている普通の栄養剤と比べますと、早く良くなり、早く炎症が落ち着き、早く退院できる可能性が高いということが言えます。 もう1つは、一度よくなって退院されてからのことでございますが、成分栄養剤を鼻から管を入れてやっている患者さんは比較的、また入院してくるという可能性が低くなっているということもいえるかと思います。 クローン病ですと、腸が狭くなって手術することが多いわけですけれど、栄養療法をやっている患者さんは、手術をする頻度を非常に少なくすることができるというようなこともわかってまいりました。 成分栄養療法をしっかり勉強していただいて、クローン病とどのように付き合うかというようなことも、一緒に学んでいただければというふうに考えています。 経管栄養法の実際 −患者さんによる紹介− <栄養剤の準備> 必要なもの 必要なものはこれだけです。 成分栄養剤エレンタールは、1袋できあがり300kcalですから、自分の必要量を用意します。 水又はぬるま湯が必要です。 鼻腔用チューブは、1.7mmほどで細く柔らかい素材で、鼻から十二指腸まで届く長さがあります。 注入用のバック、注入用ポンプによって、夜間寝ている間に自動的に少しずつ送り込みます。 注射器は針をつけず、チュ−ブを洗うときに使います。 溶かし方 まずぬるま湯を用意します。 エレンタールは長時間作り置きせず、使用する直前に溶かし、なるべく早く使い切ります。 広口の計量カップを使うと洗いやすく、計量しやすいので、必要なパック数を一度に作れます。 ぬるま湯を使うと混ぜやすいです。 ただし、熱湯は成分が壊れてしまうので、ダメです。 量を少なくしたいといって濃くすると、お腹に負担をかけます。 エレンタールは溶けやすいですが、ミキサーやシェーキングボトルで溶かす人もいます。 エレンタールをバックに移します。 バックをポンプにセットします。 溶かすために使ったカップやボトルはすぐに洗っておきます。 <チューブの挿入法> 好きな飲み物を用意します。 乳製品・炭酸・タンニンを含む緑茶を避け、水・ウーロン茶・ジュースでも構いません。 リラックスして始めましょう。 チューブを水で濡らし、鼻から入れていきます。 右が無理でも左なら大丈夫という人もいますので、自分の入れやすい方から入れましょう。 チューブが喉まで達したら、一旦止めて飲み物を口に含みます。 ゴクッと飲み込むタイミングでチューブを押し込んでいきます。 さらに飲み物を口に含みながらゴクッゴクッと少しずつ押し込んでいきます。 これを何度も繰り返せば、奥に入っていきます。 耳にかけて胸くらいにくれば完了です。 もしもチューブがスムーズに入らないときは、無理をせずに、一度抜いてもう一度入れ直します。 <注入の仕方> 注入バックとチューブをつなぎます。 ポンプのスイッチを入れます。 注入が早すぎるとお腹に無理がかかるので、主治医の先生と相談の上、自分にあった速さを調整して下さい。 眠る時は、寝返りしてもチューブが巻きつかないよう、ポンプのおき方やルートを工夫しています。 -ポンプのスイッチを切る- 翌朝チューブを抜くときは、栄養剤を入れ終わったところですから、チューブを一旦喉まで引っ張っておいて、 一気に抜くことがコツです。こうすれば、味や不快感が口に残りません。 チューブの外側は、しごくようにぬるま湯で洗います。 内側は、注射器を使ってぬるま湯を数回入れて洗った後、空気を2、3回押します。 注入バックにぬるま湯を入れて、振り洗いします。 洗い終わったチューブやバックは自然乾燥します。 チューブを冷蔵庫で保管する人もいます。 一日冷蔵庫に入れておくとチューブが硬くなり、入れやすくなるので便利です。 - 注入ポンプを今晩のために充電しておく- 先生から患者さんへのQ&A <挿入の心配について> Q.まず始めに初めてチューブを鼻から入れようとする患者さんですけれど、ちょっと痛いんじゃないかとか、喉に入るかなとか、いろいろ心配されると思うのですが、如何でしょうか。 A.私自身とても敏感に反応するので、最初とても心配したんですけれども、チューブが細いので、慣れると大丈夫でした。 <睡眠で困る事は> Q.夜、こういう管を入れてたりすると、気になって眠れないということはないですか。 A.最初とても心配したんですけれども、思っていた以上によく眠れますので、大丈夫だと思います。 Q.意外や意外、夜眠れるということで私びっくりしたんですけれど、今度はよく寝すぎてチューブが絡まったり、寝返りして暴れたりしたときに何か困ることはないですか? A.とくにないですね。身体に巻きついたりすることはめったにありません。 逆にいうと、チューブをひっぱると鼻がクッとひっぱられるんで、それで逆に目が覚めるんで、そういったトラブルはないです。 チューブとかルートを長いこと使いすぎますと、接続部がゆるくなってきますので、そういうときはたまに外れたりする危険性はありますので、そのへんだけ注意すればいいと思います。 <睡眠以外で困った事> Q.これまでお伺いしますと、困ったことはまったくないように思いますが、本音ではどうでしょうか。本当にないですか。 A.いや、まったくないことはなくて、キッチンでエレンタールを作るときに、溶かすときにドバッとこぼすことがありまして、その時にネチャネチャしますのでとてもたいへんだということと、後、家におきましても、自宅の中をウロウロと持って歩きますので、その時に誤ってこぼしてしまいますと、床がネチャネチャになります。 特に絨毯だったら、掃除するのがものすごくたいへんで困ったことはありました。 <洗い方のコツ> Q.チューブの中に栄養剤がこびりついたりするということがあると思いますが、洗い方に何かコツはございますでしょうか? A.はい、哺乳瓶用洗剤を使って洗ったり、チューブを夜まで浸けていらっしゃる方もいますが、私はぬるま湯で洗うだけで、10年間何も問題なく過ごしております。 ただし、熱湯でチューブを洗うことは避けてください。チューブが柔らかくなって入れにくくなったり、また長持ちしないです。 <残業等で時間が取れないとき> Q.残業とかで家に帰るのが遅くなりますよね、そうすると夜中やる時間が短くなりますけど、そういう人は予定の量が注入できないということになりますが、そのへんはどうされてますか? A.そうですね、ある程度は経験を積んできますと、ポンプの落とすスピードを速めて時間短縮を図るということが可能になってきます。もっと残業が遅くなってどうしても時間がない場合は、残業している間に経口で飲むといったことで対応もできます。でも経験上、やはり鼻から管を入れて経管でやる方が、調子よく保てるように思います。 Q.でも、あまり早くやりすぎますと、、、 A.下痢とかしますね。そのへんは経験でわかってきますので。 Q.そうですね。まぁ、ちょうどいい按配のところですね。 A.はい <毎日続ける事について> Q.経管栄養法っていうのは毎日続けることに意義があるように思いますけれど、そのへんはどうでしょうか。 A.そうですね。やはり継続してやっておりますと、体力的にものすごく自分で自信にもなってきますし、ものすごく元気になってきます。それによって、継続性っていうのは非常に大切だなっていうことが私自身実感いたしました。 Q.具体的にはどのようにされていますか? A.そうですね、仕事が終わって自宅に帰りますと、まず最初にエレンタールを作ります。 エレンタールを作ってから軽く食事をして、お風呂に入って、それから接続して開始します。 そうすることによって、継続することも可能になってくるんじゃないかなと経験上思います。 ただあまりにも早く作りすぎますと、エレンタールは12時間以内には入れないといけませんので、その点だけ気をつけております。 Q.夕食の前に作るというのがコツということですね。 A.そうですね。食事を食べてしまいますと、鼻からチューブを入れるのがほんといやになりますので、その点だけは先に作って半強制というんじゃないですけど、自分にそういうふうにしていこう、というふうにしております。 <旅行の時はどうしているか> Q.経腸栄養をやって、だんだん体力がついて元気になります。そうすると旅行へでも行きたいなと思うことがあろうかと思いますが、その時にはどのようにされてますか? A.そうですね。旅行に行くときは、宿泊日数を計算してエレンタールを用意します。 チューブとバックは、予備があれば旅行時には洗わずに毎日使い捨てでいきます。 短期の旅行であれば、ポンプの充電器は持って行く必要はありませんので、それほど荷物もかさばりません。 また旅行時はですね、S字フックというのが役に立ちまして、これがあるとどこでもものを吊るすことができて便利です。 Q.海外旅行にまでという色気が出てきた場合は変な水もいっぱいありますしね、その場合なんかはご経験ございますか? A.そういうときは、ペットボトルのミネラルウォーターを買えばいいと思います。 ただ海外では、たまに硬水のミネラルウォーターがありまして、それで下痢をすることがありますので注意は必要です。 後、冷えた水では溶かしにくいので、ある程度ぬるめの水で溶かした方がいいと思います。 Q.10日以上も海外に行かれたということなんですが、その経験談などもお話いただけますか。 A.はい、当日体調が悪くなったのですが、もうキャンセルできませんし、でもエレンタールセットを持っていくことで、食事を抑えて十分旅行を楽しむことができました。 旅行は結構体力がいりますので、エレンタールをすることにより、普通の方以上に元気に動き回ることができました。 突然の体調の変化にもエレンタールを持っていくことによって対応できますので、とても助かりました。 Q.日本で食べてた食事も一切やめて、エレンタール一本にしたということが、出かける前より戻られたときの栄養状態の方がいいと、そういう一つの理由でしょうか。 A.そうですね、リフレッシュもできましたので、よかったです。 <これだけは言っておきたいこと> Q.10年にも長きに渡って、経管栄養療法を皆さんされてるわけですけれど、今までの中で、医療を含めてこれだけはちょっと言っておきたいというようなことがあれば強調してください。 A.そうですね、クローン病によく効く薬がでるのが、おそらくそう遠くない将来だと思うので、今は我々は腸を切らずに温存することが最重要課題だと思います。そのために、経管栄養をしっかりやって腸を温存することが大切だと思います。 Q.いかがですか。 A. 毎日歯磨きをするのと同じような感じで、エレンタールも習慣になると、何ともしないと気持ちが悪くなってくるので、そのようになるまで続けることが大事だと思います。 Q.どうですか。 A.そうですね、私も自分の経験で、経管栄養を受け入れられなかったために腸管大量切除ということになりました。 今になって思いますと、もっと早くに経管栄養を受け入れてしておれば、手術を防げたのではないかなと思っております。 最初は受け入れにくいと思いますが、早い段階に始めることにより、皆さん人生に大きく左右されるくらい大切なものだと思いますので、トライしてみていただけたらと思います。 <まとめ> どうですか?経腸栄養療法をやってみたいと思うようになったでしょうか。 経腸栄養療法は、このように非常に役に立つ治療法でございますけれど、それぞれ患者さんの身体の都合に応じて、治療法というのは選んでいく必要がございますので、主治医の先生とよく相談して治療法を決めていただきたいと思います。 火事が起こってあわてて火を消すよりは、火事を起こさない、つまり腸の病気を再燃させないでじっと耐えていく、それで新しい治療法が出る日を待つというのが、経腸栄養療法の一番の目的ではないかというふうに考えています。 -あなたも今日からできそうですか- |
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