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専門医に聞く経腸栄養療法の実際 > 膵頭十二指腸切除術後の経腸栄養
> 症例紹介 |
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■症例1膵頭部癌、66歳、女性
閉塞性黄疸で発症した膵頭部癌症例で、術前からインシュリンを必要とする糖尿病を合併していた。術後第6病日に残胃の急性胃粘膜病変を生じ、吐下血をきたした。そのため通常よりは少し遅い第9病日からエレンタールにて栄養管理を行い、経口摂取は第24病日から開始した。また、下痢に対してはアヘンチンキなどを投与した。
症例1)66歳女性(膵頭部癌) ■体重36kg ■膵頭十二指腸切除、上腸間膜静脈合併切除再建、D2リンパ節郭清、空腸瘻造設術
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■症例2広範囲胆管癌、35歳、女性
本例では膵頭十二指腸切除+拡大肝右葉切除が施行された。排ガスを確認後、エレンタールを開始した。第6病日にはカテーテル熱と思われる発熱があったためIVHカテーテルを抜去した。その後は経腸栄養を主体とした栄養管理で、ビリルビンの上昇も第1病日の4.4mg/dLが最高であった。
症例2)35歳女性(胆管癌) ■体重61kg ■膵頭十二指腸切除+拡大肝右葉切除、D2リンパ節郭清、空腸瘻造設術
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膵臓の切除範囲や線維化・荒廃の程度にもよるが、術後は糖尿病傾向に傾くことが多いため、インシュリンによる血糖コントロールを必要に応じて行う。
閉塞性黄疸が強くない疾患や膵臓が比較的保たれている、あるいは膵臓の切除範囲が少ない場合は、通常1日3回血糖をチェックし、それに応じたインシュリンの皮下注を単発的に行うことが大半である。膵臓の切除量、すなわち残存する膵臓のインシュリン分泌能は症例によって異なるので、血糖値はその都度チェックし、そこから判断してインシュリン投与量を決定する必要がある。
しかし、随伴性膵炎などで膵臓が荒廃しているような症例では、インシュリンは1日数単位から始めて微量持続注入器で投与量を調節する場合と、門注インシュリン投与といって、胃の大網にチューブを1本絡めておき、そこから門脈内にインシュリンを1日量で100単位を目安として注入し、血糖値を観察しながら投与量を調節する場合もある。 |
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■下痢
経腸栄養剤による下痢がみられる場合は、投与速度を下げる、もしくは経腸栄養チューブから消化剤や消化酵素剤を投与して対処しているが、それでも改善しない場合は、栄養剤を変更する。また、手術時に上腸間膜動脈周囲の神経叢を全て切除すると、術早期から頻回の下痢に悩まされることが多いが、この場合は特異的な腸炎でないことを確認した上で、アヘンチンキやロペミンなど止痢剤の投与を行う。長い例で1年以上続くこともあるが、徐々に改善される。
■通過障害と腸閉塞
Witzel型の小腸瘻を作製すると、小腸やチューブの径により時として小腸内腔が狭くなったり、腹壁固定の仕方によっては固定部で小腸にねじれが生じる場合がある。これらは通過障害や腸閉塞の一因となり、嘔吐や胃の張り、胆管炎などの症状を引き起こす。
通過障害や腸閉塞の原因としては上述のようなテクニカルな要因以外にも、術早期の局所の炎症による場合もあるが、いずれにしても経鼻胃管チューブなどにより上部消化管の内圧を減じ、局所の安静をはかることが大切になる。栄養チューブに問題がなければ、この場合でも経腸栄養を続けることは可能であるが、当科ではこれらの合併症発生の予防として、ニードルキャセターキットを用いたり、先に示した図のように栄養チューブを留置するなどの工夫を行っている。 |
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