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専門医に聞く経腸栄養療法の実際 > 膵頭十二指腸切除術後の経腸栄養
> 膵頭十二指腸切除患者の栄養病態の特徴 |
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膵頭十二指腸領域における頻度の高い疾患は、悪性疾患では膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌、下部
胆管癌などがあり、良性疾患では膵頭部の腫瘤形成性慢性膵炎などがある。また、膵頭十二指腸領域
からは少し離れているが、胆嚢癌や胃癌、進行度によっては結腸癌でも膵頭十二指腸切除術を施行する場合がある。
この術式が適応される患者の術前の栄養状態は、進行膵頭部癌の場合、種々の消化酵素を含む膵液が腸管内へ流れなくなり、このため脂肪や蛋白の消化が障害されて栄養低下をきたし、体重減少がみられる。胃癌や十二指腸癌、大腸癌などの場合は一般的に低栄養状態である。また、黄疸がみられる下部胆管癌や十二指腸乳頭部癌などの疾患の場合には、極めて低栄養という状態ではないにしても、肝機能の低下がみられる。特に閉塞性黄疸がある場合は、胆汁が腸管内へ流れないため、脂肪の吸収障害を引き起こし、さらに脂溶性ビタミンの吸収も悪くなって栄養低下をきたす場合が多い。侵襲の大きい手術が必要な膵癌の場合は、二次性の膵炎を伴っているので、低栄養状態、糖尿病傾向となるのが特徴である。アルコール性慢性膵炎の場合は、栄養低下がみられることが多い。 |
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術前は、経口摂取が可能な場合は特別な栄養管理は行わない。ただし、消化管の通過障害がある悪性疾患の場合は、IVHを施行している。また、慢性膵炎などで仮性嚢胞を形成した場合には、脂肪の吸収が障害されて脂肪肝がみられるため、経腸栄養を施行して肝障害などを改善させた上で、手術を行うようにしている。脂肪肝の改善には、IVHよりも経腸栄養の方が有用であり、この場合に用いる栄養剤は、消化障害があれば消化態栄養剤を、なければ半消化態栄養剤を選択するようにしている。
術後の栄養管理は、術後数日〜1週間程度はIVHを主体とし、その後経腸栄養へと移行させるが、早い症例では術後4、5日目から経腸栄養を施行し始め、退院するまでの約1カ月間は続けている。当科でも経腸栄養で管理した症例は、IVHで管理した症例と比較して退院時の体重減少が少ないことが確認されている。 |
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| 膵頭十二指腸切除術では、必ず膵液を膵管チューブで体外に排出している。このため、膵液に含まれる消化酵素が腸管内に存在しない、もしくは非常に少ない状態で経腸栄養を開始することになる。この場合に使用する栄養剤は、すでに消化された状態のものが理想的であるので、消化態栄養剤のエレンタールが第一選択となる。膵液が腸管内に流れる状態になれば、半消化態栄養剤、続けて経口摂取へと徐々に栄養管理を進めていくことができる。 |
膵頭十二指腸切除術後の栄養管理の基本方針
膵臓切除に伴う消化吸収障害を考えた、きめこまかな栄養管理を
●種々の消化酵素を含む膵液を膵管チューブで体外に排出しているため、消化態栄養剤
(エレンタール)で経腸栄養を開始する
●膵臓切除によって糖尿病傾向に傾く場合は、インシュリン投与で血糖コントロールを図る |
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