クローンズキッチン 食事療法 IBD情報 医療関係者の方への情報

TOPに戻る
クローン病の栄養・食事管理の概要
活動期
緩解期
栄養成分と指導上の留意点
脂肪
たんぱく質
エネルギー
食物繊維
無機質
食習慣
調理方法
病勢に沿った栄養・食事指導
活動期
緩解移行期
緩解期 1
緩解期 2 社会生活にむけて
緩解期 2 退院後の指導とサポート体制
献立作成に当たり
在宅栄養療法
在宅経腸栄養法について
在宅経管経腸栄養法の保健について/経腸栄養剤一覧

栄養成分と指導上の留意点
 5.無機質
  ・Ca、Fe、Se、Znなどの不足に注意しましょう。
 
C a
乳製品のCaは吸収効率はよいですが、クローン病の場合、乳糖や脂肪分による下痢等の不安から患者さんが摂取することに戸惑いを感じる事が多いようです。腸管でのCaやビタミンDの吸収が低下しており骨の脆弱化を招き、骨折や骨粗鬆症を起こしやすい傾向にありますので、まずヨーグルトなどから試してみましょう。また、乳製品を受けつけない患者さんの場合は、大豆製品及び海藻類(わかめなどの軟らかい部分を刻み煮、のり佃煮など)などから摂るように勧めましょう。栄養状態の不良から骨折しやすい傾向にあるので患者さんに注意を喚起しましょう。
 
F e
Feに関しては、吸収効率の良いヘム鉄が動物性食品に含まれています。牛・豚肉は抗原性が高いですから鶏肉類(レバーも含め)、かき(貝)、卵類などを用いて対応すると良いでしょう。また、非ヘム鉄含有のきな粉、納豆、ほうれん草、小松菜などからの補給しようとする場合は、不溶性繊維の含有量に注意して適正量を助言しましょう。その際には、ビタミンCの補給も意識して摂取するようにします。
 
S e
Seは、魚介類、海藻類などの海産物、肉類とくに内臓、米、麦などの穀類、大豆、乳製品、野菜、果物
の順番に多く含まれています。日本人の場合のその主な供給源は、穀類と魚介類です。これらは患者さんにとっては、比較的安全な食品ですので、基本的には、食事から摂取することで補います。ただし、調子を崩して再びTPNやEDのみの栄養補給が長く続いている状態の時や、吸収能力が不充分な場合、食欲不振などの状態が長く続き食事摂取量が減少している場合に欠乏状態に陥ってないか注意を要します。その症状としては、心電図の異常や筋肉痛などが現れることがあります。
※「Seを含有する主な食品」
 
Z n
Znはたんぱく質合成に欠かせぬもので、不足すると炎症の治癒の遅延などをきたします。
また味覚障害、免疫能の低下も引き起こします。
Zn(Cuも)の排泄は便中から排泄されます。よって、下痢などが頻繁に起こっていて、かつ食事の摂取が
十分でない状態が続くと欠乏する可能性があります。
Znが多く含まれ、クローン病患者さんにとって比較的安全な食品は、かき(貝)、魚介類、きなこ、納豆
などであり、同時にFe含量の多い食品でもあります。
 
■サプリメントの使用について

  サプリメントは、基本的な栄養・食事療法を実施した上で、なお且つ不足する栄養素を補うため、
  又は予防的に補給する時に利用するものです。使用にあたっては、医師の了解を得るようにします。
 
■Seを含有する主な食品
   
食 品 名 セレン含有量μg/100g セレン含有量μg/常用量(g)
さわら 110 88/80
ウーロン茶 43 77/180
かつお 130 65/50
あじ 76 61/80
ぶた ロース・脂肪なし 36 54/150
たい 66 53/80
ごま 42 0.84/2
いわし 52 42/80
かき 61 37/60
とりもも・かわなし 31 31/100
ココア 17 31/180
ひらめ 98 29/30
えび 58 29/50
57 29/50
まぐろ 88 26/30
牛肉もも・脂肪なし 26 26/100
とり ささみ 46 23/50
しらすぼし 210 21/10
わかさぎ 100 20/20
そらまめ 15 9/60
あずき 11 132/12
えんどうまめ 11 3.3/30
ソバ粉 10 10/100
食パン 6 10/160
麦茶 5 9/180
大豆 7 0.77/11
いわのり 52 5/10
わかめ 49 5/10
あおのり 47 5/10
さつまいも 4 8.8/220
                出典.USDA;United States Department of Agricultureの食品成分表より