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クローン病の栄養・食事管理の概要
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栄養成分と指導上の留意点

 4.食物繊維
食物繊維は腸管で便量を増やして腸壁を刺激し、蠕動運動を活発にします。また、腸管に狭窄がある場合通過障害を起こしやすくなります。食物繊維は腸管内で腸内細菌と反応し、乳酸菌のような有機酸を産生する菌を増加させ、腐敗菌を減少させることにより腸管内環境を整える働きがあり有益です。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維が粘膜の修復作用をもつことが明らかになってから、クローン病においては水溶性食物繊維を増やし不溶性食物繊維を減らすという方針が優位になっていますが、その適正量については確定していません。
不溶性食物繊維は野菜・茸・海藻類に多く含まれています。水溶性食物繊維は果物や褐藻類に比較的多く含まれています。腸管内で高粘度のゲルを形成して下痢を防止したり、栄養素が拡散するのを防ぎます。また、胆汁酸を吸着し腸管からの脂肪の再吸収を阻害するなどの働きがあります。主な食品100g中の不溶性食物繊維量と水溶性食物繊維量を示します(参考資料6)。

水溶性繊維を摂る













水溶性繊維は、りんご、バナナ、桃などに含まれるペクチン及び海藻類に含まれるアルギン酸があげられます。
アルギン酸をコンスタントに摂るには、昆布のだし汁で煮物や汁物を作るように勧めます。
セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどは不溶性であり、狭窄が疑われる場合は注意を要します。
(不溶性繊維は、いわゆる硬い野菜類のたけのこ、ごぼう、ふき、ぜんまい、れんこんなどに多い)
狭窄が無く体調が悪くない場合には、不溶性繊維が比較的少ない野菜(大根、キャベツ、にんじんなど)を中心に、繊維を細かく切磋したり、よく煮るなど調理法により軟らかく加工します。なによりも患者さん自身がよく咀嚼することで適量食べることは可能です。繊維含量の点だけで野菜の有効成分(各種ビタミン類、がんを予防する抗酸化物質など)摂取が妨げられるのは、身体全体からみるとマイナスになります。回復状態を見ながら、ゆっくり量や種類を増やして行く過程を栄養士が積極的にフォローしていきましょう。そうすることが食事に対する患者さんの不安解消策となります。
体調が悪い時には繊維が負担になることもあるので、その間は野菜ジュースを勧めます。
(ただし野菜ジュースは野菜の替わりにはならないので一言付け加えておきましょう。)
主な食品100g中の不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の含有量一覧を参考にして下さい。