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クローン病の栄養・食事管理の概要
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栄養成分と指導上の留意点

  クローン病の病因解明は急速に進んでいますが、今なお、その原因は明らかになっていません。
食事に関しても、患者さん一人一人の感受性が異なっている為、画一的な栄養指導はできません。
ここでは、基本となる内容を記します。
 1.脂肪
    再燃を防止するための総脂肪摂取量は一日当り30g以下が目安とされています。
脂肪制限の理由は、脂肪が他の栄養成分に比べて腸管の蠕動運動を刺激することにあります。
又、回腸末端から上行結腸に病変があると、脂肪の吸収不良がおこり脂肪酸下痢を誘発するからです。
  1 )クローン病における油脂類の選択
n-3系多価不飽和脂肪酸(α-リノレン酸)を豊富に含む魚油やエゴマ油を薦め、n-6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸)を豊富に含む植物性油脂や、飽和脂肪酸の多い動物性脂肪の摂取を制限します。
但し、n-3系脂肪酸といえども、脂肪として腸管に負担をかけることは変わらないので摂りすぎのないようにチェックが必要です。
    n-3/n-6比
クローン病においてn-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸のバランスが大事であるといわれています。その理由は、n-3系脂肪酸はn-6系脂肪酸と同一の酵素で代謝されるため拮抗し、n-6系脂肪酸のアラキドン酸代謝物のひとつである起炎物質(ロイコトリエンB4)の産生を抑制する作用があるからです。これら多価不飽和脂肪酸に含まれる必須脂肪酸は発育成長や健康の維持に必要であり、健康人ではn-3:n-6=1:4を目安とするよう薦められています。しかし、クローン病における適正比率については多くの研究報告がありますが、現時点では明確な 指標は示されていません。
研究報告によるとn-3/n-6比は0.4〜0.6で効果的といわれ、0.31以上の保持が望ましいともいわれます。
 
   
n-3・n-6系多価不飽和脂肪酸を多く含む食品
1.


2.
n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む食品
・α-リノレン酸として、シソ油、エゴマ油。
・EPAやDHAとして、脂肪の多い魚(ハマチ、マイワシ、ホンマグロ、ブリ、サンマ、スジコ)など。
n-6系多価不飽和脂肪酸を多く含む食品
・リノール酸を多く含む植物油(紅花油・大豆油・ひまわり油)。
飽和脂肪酸を多く含む食品

牛・豚の脂身
バター・ラード・ヘッド
  2) 調理法、食品選択について
   










食品に含まれるEPAの量は、「生」「煮る」「蒸す」による変化はありません。
シソ油・エゴマ油はα-リノレン酸を多く含むため酸化されやすく、加熱料理には向きません。
少量の油脂で満足のいく調理や献立の考案など、患者さんや家族などと一緒に取り組み積極的に 実施してもらいましょう。
テフロン加工のフライパンや鍋を利用して、油の使用量や摂取量を減らします。
肉類(牛肉、豚肉など)はひかえ、鶏肉(低脂肪部位)を少量にします。
外食の場合、西洋料理や中華料理及びファーストフードは、見た目以上に脂肪含量が多いので注意が必要です。和食を勧めましょう。
カップ麺、スナック菓子、揚げ菓子、チョコレート(脂肪以外にシュウ酸も多い)、洋菓子、菓子パン、アイスクリームなど若者がよく好むものに高脂肪食品が多いようです。
豆腐は易消化のため、よく使用されますが、脂肪含量が多いので適正量について助言します。