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クローン病の栄養・食事管理の概要
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クローン病の栄養・食事管理の概要

    クローン病患者さんの多くは、腹部症状による食事摂取の減少と慢性の腸粘膜障害による消化吸障害、たんぱく漏出による栄養障害をきたしています。この場合、まず大切なことは、障害をうけた部位を安に 保ちながら、炎症が軽減するまで食事以外のものから十分なエネルギーを補給することです。
そして、炎症が治まり緩解期を迎えた時点で、食事摂取も含めた栄養管理に取り組むことが管理栄養士の大切な役割となってきます。各食品に対する患者さんの受け入れ状態は人それぞれであり、食事を少しずつ始めながら、炎症の状態を観察しつつ、段階的にその内容を高めていったり、その人独自の抗原性食品をみつけたり、提供する食事からそれらを排除するなどの管理が大切になってきます。以下、病勢に応じての栄養管理について解説します。
【 1 】活動期
  1. 活動期の状態は、以下のようにまとめられます。
   
・病態
・症状
・栄養障害
消化吸収障害 腸粘膜障害 たんぱく漏出
下痢 腹痛 発熱 貧血 体重減少
たんぱく質・エネルギー欠乏⇒たんぱく質・エネルギー栄養不良症(PEM)
Fe・VB12・葉酸欠乏⇒貧血
ビタミン類(特に脂溶性ビタミン)欠乏
ミネラル欠乏⇒Ca Mg(マクロミネラル)
Zn Cu Se Mo Cr(ミクロミネラル)
  2. 栄養療法のポイント
   
絶食状態下の栄養補給法として、以下の2種があげられます。(医師が処方します。)
〈A〉高カロリー輸液による完全静脈栄養
   TPN(total parenteral nutrition)





腸管狭窄や瘻孔がある場合や、重篤な場合に適応されます。
エネルギー量は、2000kcal/day以上
分岐鎖アミノ酸を十分に補給します。(アミノ酸製剤選択時のチェック)
脂肪の欠乏症状がないかチェックし、予防的措置として、脂肪乳剤の経静脈投与の実施。
Seのような微量元素の不足などが起こる危険性があります。
病勢回復後は、成分栄養療法(経腸栄養法または経口飲用)を優先します。
〈B〉成分栄養療法 ED(elemental diet)


*








腸管狭窄や瘻孔がみられず、重篤な状態で無い場合は、ED製剤(エレンタール等)が第一選択肢と
なります。
ED製剤の特徴
 食事性抗原の主体と考えられるたんぱく質を含まず、たんぱく質源としてアミノ酸から成る製剤です。
 腸管上皮のエネルギー源として有効なグルタミンを多く含み、障害のある腸管粘膜の修復効果が
 期待され、また、腸内細菌叢の状態を改善します。
 脂肪の含有量がわずかであり、消化管への刺激が少なく腸管の安静を保ちます。
 多種のフレーバーを使用すれば、経口的に飲用できます。
理想体重1kgあたり35〜40kcal/を基準にし、食事導入とともに、暫時減らしていきます。
ED製剤のみの栄養補給の場合、必須脂肪酸欠乏状態に陥らぬようにチェックが必要です。
消化吸収障害が軽度の場合は、消化態栄養剤や半消化態栄養剤の使用が可能な場合もあります。
ED製剤の溶液は高浸透圧であり、摂取速度が速い場合下痢などの発症がみられることもあります。